「ハリー・ポッターと呪いの子」読んだぞ!
英国で今もロングラン上演を続けている、ハリポタの正統な続編劇です。
キャスティングの時に黒人の女性がハーマイオニーを演じるっていうので、ちょっとした騒ぎになってましたから(後に作者のローリング氏が、「私は作中でハーマイオニーを白人だとも黒人だとも断言していないから、どんな肌の色の人が演じたっていいと思ってる」という旨を述べていました)、知ってる人も多いかもしれませんね。
本家本元の作者J・K・ローリング氏が共著でシナリオ作成に携わり、劇作家の方が上演用の脚本に書き直しているかたちになっています。
で、その脚本だけにはなるけど、書籍にして発売するね、っていうのが、この本です。
基本は劇の台本なので、場面指定や簡単な演出指示がある他は、名前と台詞だけの、いわゆるト書きになっています。
内容としては、本編終了後から19年後の未来の話。
ハリーの子どもたちの中でも、次男がメインになっているお話です。
原題が「Cursed child」なので、「呪われた子」の方がわかりやすい気もします。読んだ後で考えると余計に。
勿論、タイトルに「ハリー・ポッターと」が付くからには、ハリー含むお馴染みメンバーも活躍しますよ!
以下、ネタバレ込みで感想書いていきます。
というか、あらすじを書こうにも、ハリポタ本編のネタバレを含んでしまうので、あらすじもこっから下に書きます。
「呪いの子」だけじゃなくて、ハリポタ本編のネタバレもして欲しくない人は、気を付けてくださいね。
簡単に感想述べると、
- 本当に公式からこんな続編頂いていいのか?! 二次創作じゃなくてか?!
- 1.あらすじ
- というところまでが、全体の1/10にも満たない超冒頭部分です。
- 2.誰が主人公の物語か
- これは具体的に言うと、ハリー・ポッターがヴォルデモートに殺されてしまい、死喰い人たちが大手を振って歩く世界です。
- ちなみに、この世界線では、ヴォルデモート側だと信じられたままになっているスネイプ先生が生存しています。
- ついでと言わず、父親になったドラコの成長は大変見もの。
- 3.「呪いの子(Cursed child:呪われた子)」とは誰の事か
- 驚くなかれ、ヴォルデモートと最強の副官ベラトリックス・レストレンジの娘です。
- 何よりも、父を生かすために。
- 親世代になったみんなが、キレイさっぱり呪いを消せたわけじゃないけど、アルバスやスコーピウスがクィディッチにちょっと興味を持てるくらいにはなったから、世界はまだまだわからない。
- 4.超個人的おススメポイント
- みんな大人になって変わったところもいっぱいあるけど、変わらないものがあるって最高だ。
- 19年越しのツンデレなの?!
- あと何よりも、アルバスとスコーピウスの友情最高だよ!!!
本当に公式からこんな続編頂いていいのか?! 二次創作じゃなくてか?!
っていうくらい理想通りの最高感溢れてるから、未読のファンは覚悟しておいた方がいいです。
1.あらすじ
本編のラストでも描かれましたが、ジニーと結婚して、魔法省の職に就いているハリー・ポッター。
- 長男:ジェームス(ハリーの父の名前から)
- 次男:アルバス・セブルス(ダンブルドアとスネイプ先生、ハリーの恩人の名前から)
- 長女:リリー(ハリーの母の名前から)
の3人の子供に恵まれたハリーが、次男のアルバス・セブルスをホグワーツに入学させる日から物語は始まります。
魔法界を大きく揺るがしたヴォルデモート戦のことは、19年後の今、しっかり「歴史」として子細に語り継がれています。ハリー一家や、彼に連なる魔法界の英雄たちの名前も経緯も活躍も、ヴォルデモート側の魔法使いたちのことも全て。
長男のジェームスに関しては、少々弟に対する意地悪が過ぎるものの(これは名前を頂いた彼の性質かな?笑)、何の問題も無く既にホグワーツでの生活に馴染んでいる様子。
一方アルバス・セブルスは、魔法界のポッター家に対する視線を酷く気にしています。大きすぎる父の名前に、父や兄と比較されるのが煩わしく、一挙手一投足周りに値踏みされているような感覚に陥っている様子です。
両親も兄もグリフィンドール生なので、別の寮に入れられたらどうしよう、という点も不安の一因。父にもその相談をしますが、笑って流されてホグワーツへ送り出されます。
9と3/4番線には、アルバスと同い年のローズを見送りに、ウィーズリー‐グレンジャー一家も来ていました(ハーマイオニーが魔法省でバリバリのキャリアウーマンなので、別姓のようです)
ローズには「私たちの両親たちは、ホグワーツ行きの汽車の中で出会ったんだから、汽車の中での友達選びは大事」なんて言われながら、汽車に乗り込んだアルバスは、そこで運命の出会いをします。
スコーピウス・マルフォイ。何を隠そう、ドラコ・マルフォイの一人息子です。
「より強い血筋をと望んだルシウス・マルフォイ(ドラコの父、スコーピウスの祖父)の意向で、ドラコの妻アストリアが生んだのはドラコの子ではなく、ヴォルデモートの子なのではないか」という噂に、物心つく前から苦しめられてきたスコーピウス。
父の名前、家の名前、父の過去。終わったはずの魔法界の大戦争の遺物に苦しめられているスコーピウスに出会い、同じものを感じ取ったアルバスは、彼と友達になります。
そうして入学した先でアルバスを待ち受けていたのは、スリザリン寮生としての生活でした。
親友のスコーピウスと同じ寮で嬉しい一方、ポッター家の人間なのにグリフィンドールに組み分けされなかったことで、周囲の視線を一層辛く感じる日々。
父が大活躍したクィディッチになんて、興味ないどころか目もくれません。
次第にアルバスは父の存在を疎ましく思うようになり、父に反発を繰り返すようになります。
数年後に入学してきた妹のリリーがグリフィンドールに組み分けされたことも、彼にとっては大きな痛手になりました。これで、ポッター家でグリフィンドールじゃなかったのは、自分だけになったからです。
ハリーとのすれ違いが本格化した頃、ポッター家に来客があります。
本編「炎のゴブレット」で、ハリーの傍にいたために命を落とした、セドリック・ディゴリーの父が、ハリーを訪ねてきます。
これを知ったアルバスは、「父も完璧ではなかった。みんなが英雄ともてはやす人間だって、救えなかった人間はいるのだ。この父が救えなかった人を僕が救うことで、僕は父を越えてやる」と決意します。
こうしてアルバスはスコーピウスを巻き込んで、タイム・ターナー(時を巻き戻す魔法道具)で過去を改変する旅へ!
というところまでが、全体の1/10にも満たない超冒頭部分です。
情景描写の文章が無い分、普通の小説一冊分くらいのページ数全部会話と展開で埋められてて、大ボリュームだよ!
2.誰が主人公の物語か
基本的にはアルバスがメインに据えられた物語です。
父との確執、すれ違いに悩み、時に怒り、時に捨て去ろうとしたアルバスが、どうやってハリーへの気持ちの折り合いをつけていくのか。
良くも悪くもアイコン化されてて、性格がわかりやすい日本のラノベとは違う人間臭さが、ハリポタの魅力ですよね。
一概に何が原因で、とは言いづらい事情や感情がもつれ合って、現実の人間関係でも覚えがあるような衝突に、何とも切ない気分にさせられました。
また、アルバスはさすがハリーの息子という節があって、割と「自分が自分が」という我欲の強い子です。
これに関してスコーピウスと一戦やらかすシーンがあったりもするので(かつてのロンとハリーみたいに!)、アルバスが思春期を過ごす上での成長を、色んな角度から見守ることができる物語でもあります。
スコーピウスのお母さんアストリアが亡くなってしまうんですが、その時だってアルバスは自分と父の関係にイライラするばかりで、スコーピウスの支えになってあげていません。後になって「君はいつだって自分のことばかりだ!」とスコーピウスに怒られてケンカするのが、年頃の男の子らしい健全な感じで大変よろしい!
さすがはハリーの息子だよ。そんな風に言ったら、また嫌気が差すだろうけど。
しかし、ストーリーの展開上、アルバスがいなくなるシーンがあります。
タイム・ターナーによる過去改変がアルバスの一番の目的として進む物語なので、さもありなんといった感じですが、「過去を改変した結果、誰それが生まれていない世界になってしまった」というのを何度か経験します。
そのうちのひとつとして、アルバスが生まれなかった世界を創り出してしまうんですよね。
これは具体的に言うと、ハリー・ポッターがヴォルデモートに殺されてしまい、死喰い人たちが大手を振って歩く世界です。
ヴォルデモートが支配する世界では、マルフォイ一家の地位はかなり高いので、スコーピウスはかなり立場が変わった状態で、生存しています。
アルバスの消えてしまった世界で、アルバスを取り戻すために奔走するスコーピウスの姿もカッコイイので、アルバスがいない間は彼が主人公だともいえるでしょう。
ちなみに、この世界線では、ヴォルデモート側だと信じられたままになっているスネイプ先生が生存しています。
19年後の「歴史」を学んで、敵ではないと知っているスネイプ先生に協力を仰ぐスコーピウスとのやり取りで、スネイプ先生が遂に報われた(!)、ファンとしては嬉しいシーンもあるので、スネイプ先生好きな方は是非読んで頂きたいです。
スネイプ先生、ありがとう。本編序盤ずっと怪しんでてごめんね。
更にちなみに、アルバス・セブルスが魔法薬学が大得意な設定最高じゃないですか!?
スネイプ先生の名前をもらった子は、スネイプ先生が教えてた学科が得意なんだよ……。
それから、忘れちゃいけないのは、ハリー含む親友トリオ。
ハーマイオニーはキャリアを積んでバリバリ働いて、何と魔法大臣にまで上り詰めています。さすがすぎる!
ロンは双子の兄の悪戯専門店を経営しつつも、基本的には子どもの世話を一番の仕事にしています! 何それかわいい! 古臭い夫婦像を完璧に廃してくるのは、さすがこの2人って感じですね。
ハーマイオニーも少しは頭が柔らかくなった感じがありますし、ハリーも多少感情的すぎる部分を抑えることに慣れてきた様子。
みんな大人になって、家族を持って、色んなところが成長してます。
ついでと言わず、父親になったドラコの成長は大変見もの。
「あの」マルフォイが! って感じですが、きっと少年時代の彼は彼なりに、「ヴォルデモートが復活する時期にホグワーツにいる死喰い人の息子」らしい振る舞いを求められて、苦労していたんじゃないかな。
「呪いの子」作中ではがんばって素直になろうとしている、元の自分をさらけ出そうと努力しているところがたくさん見られて、大変好ましいです。
ごめん、マルフォイ推しなんだ。うるさくてごめん。でも好き。
親友トリオと、彼らを支え続けてるジニーと、マルフォイを加えて、モンペに成長した(笑)メンバーも、杖を携えて大活躍するので、19年後の彼らが観たかったファンにとっては、このメンバーも十分主人公張ってると言えるでしょう。
ドラコがな、ハリーに向かってな、「俺は昔おまえたちが羨ましかった」って言うんだぞ……。みんな泣けよ。私は泣いたよ。
3.「呪いの子(Cursed child:呪われた子)」とは誰の事か
あらすじのところでも少し触れましたが、アルバスとスコーピウスは大変苦しい中で育っています。
直接的には父の名前や過去の振る舞いが、彼らの人生に大きく影を落として落としています。
しかし、大元の元凶を辿れば、先の魔法界全土を巻き込んだ大戦が尾を引いているのがよくわかります。
スコーピウスはローズに「この子の両親は死喰い人だった」と言われて、「母さんは違う!」と否定したりもしますが、事実がどうであれやはり周りからは「歴史」から見える印象で評されていることがよくわかりますよね。
そういう意味で、先の魔法界の大戦の負の遺産=呪いに苦しめられているアルバスとスコーピウスは、「呪われた子」の意味にそぐう存在だと思います。
しかし、実は今回の物語の中にはもう一人、父の存在と大戦の遺産に悩まされて育った子が出てきます。
デルフィーという、アルバスより年上の女の子です。
始めのうちは、明るくて爽やかで、アルバスがちょっと年上のお姉さんに恋心を抱くようなシーンもあったんですけどね。
驚くなかれ、ヴォルデモートと最強の副官ベラトリックス・レストレンジの娘です。
何と大戦中、ヴォルデモートのホグワーツ襲撃があった最終決戦の直前に生まれていたそうです。
(つまり、ベラトリックス・レストレンジは、ヴォルデモートの子を出産して数か月経たないうちにモリー・ウィーズリーに殺されたということか)(ベラトリックス結婚してたと思ったんだけど……。死喰い人たちの間で、ヴォルデモートの子を残すなら、って意見一致で子ども生んでそうで怖いな……)
施設かどこかで育てられたのか、ルシウス・マルフォイ辺りがどこかに預けたのか、デルフィーの背景はあまり詳しくは台本には載っていませんでしたが、とにかく彼女は物心ついた後に、死喰い人の1人に知らされます。「あなたはヴォルデモートの娘です」と。
トム・リドルやハリーと同じく蛇語を理解できる彼女がどんな感情を抱いたのか、これまた詳細は省かれていますが、とにかく彼女は立派な魔女になります。
何よりも、父を生かすために。
父のたどった道をたどり、父の仕えた魔法を習得し、父が生きている未来にするために、ホグワーツにも通えず協力者もいないのに、たった1人で。
この忠誠心と狂気的な一途さは母親譲りなんだろうなと思うと、悲しくなりますね……。
物心ついた時から両親を知らず、知っても一生周りに受け入れられることのない彼女にとっては、父が過去にしたことの是非はどうでもよくて、ただ血のつながった家族に会って、出来るだけ喜んで家族として受け入れてもらいたいだけだったのかもしれません。
父を知らず、父に受け入れられることを望み続けたデルフィー。
父が近くに居すぎて、父と適切な距離で良好な親子関係を築きたいと願っているアルバス。
直接それについてアルバスとデルフィーが言葉を交わすことはありませんでしたが、この2人を指して「呪われた子」というタイトルが付いているなら、何とも悲しい物語だなと思います。
最終的にデルフィーのしようとした過去改変はハリーたちに阻止されるので、デルフィーは父に会えないまま、物語は終わります。
ただそれだけなら、過去改変未遂で懲罰があっただけでしょうが、デルフィーは目的達成のためにアバダ・ケタブラで1人殺してしまったので、彼女はアズカバン行きです。
デルフィーの孤独は晴らされないのか……。とっても後味が悪い……。
せめてドラコが彼女の存在を知っていて、引き取って育ててあげられていたらと思いますが、それはそれでスコーピウスと軋轢が出来ていそうだ。
(「ホグワーツの戦いの直前に、マルフォイ邸で生まれた」って記述があるんですけど、ホグワーツに通ってたからドラコは知らなかったって設定なんだろうか? デルフィーの存在を知ってハリー達と一緒に驚いていたので、知ってたけど黙ってたわけではなさそう)
でも逆に、この物語は、子どもたちが「呪われ」ていることをわかって、親世代になったハリー達が呪いから解き放とうと奮闘する物語でもありました。
ハリーは自分でも言ってますが、自分は父親を知りません。
バーノンおじさんが良い父ではないことはわかっても、「父親」として接してくれてすらいなかったので、ハリーは「父親」という存在の良い手本も悪い手本も知りません。
それでもその中で、色々と模索しながら「父親」であることを努力しています。
自分がどこの誰かも知らず、魔法界で奇異な目に晒され続けたハリーは、できるだけ息子たちをそういう視線から遠ざけてやりたいとも思っているんです。
それから特に、子どもたちにかかっている「呪い」をどうにかしようと躍起になっていたのは、ドラコです。
自分の息子が、「タイム・ターナーを使って過去へ送られたアストリア(妻)が生んだ、ヴォルデモートの子」だなんて噂されるのを、魔法省の公表として否定しろ、ってハリーに迫ったり!(笑)
公的権力に盾突いてでも、自分の息子に輝かしい道を歩かせたがる(親が介入して、子どもの問題を解決しようとする)のは、ドラコも父親譲りですよね。ルシウスより可愛げがあるけど。
アルバスの孤独感や、ハリーのアルバスへの愛情がから回っていることに気づいて指摘したのも、ドラコです。
こいつ本当に大人になったなって思ったけど、ハリーに「おまえたちが羨ましかった。(トム・リドルに利用されかけた)ジニーもわかるだろうが、闇の力は孤独感を好むのだ。俺はずっと孤独だった。アルバスも危ない。アルバスにはおまえとスコーピウスが必要なんだ」って語るドラコは、少年時代からとても寂しくて背伸びばっかりしてただけで、変わってないのかもしれない。
親世代になったみんなが、キレイさっぱり呪いを消せたわけじゃないけど、アルバスやスコーピウスがクィディッチにちょっと興味を持てるくらいにはなったから、世界はまだまだわからない。
ドラコがハリーとの会話でほろっと漏らした「小さい頃はクィディッチの選手になりたかった」を下敷きにして、ラストでスコーピウスがアルバスに「箒で飛ぶ練習を始めたんだ。将来はクィディッチの選手になってるかもしれない!」と語ってるんだったら、呪いはどんどん解けてるんだって信じたい。
家族の中で唯一スリザリンに組み分けされたことでぽっきり折られてしまったアルバスの心に、ハリーの「スリザリンでも、グリフィンドールでも、どんなレッテルを貼られてたって、おまえが立派な魔法使いだってわかってるよ」って言葉が傷薬みたいに効けばいい。
4.超個人的おススメポイント
いい歳したハリー(3児の父)VSいい歳したドラコ(1児の父)の魔法対決。
おまえら大人になっても変わんねえな! みたいな部分、たまらないです。
次々に暖炉を通って訪れる元生徒たちに、マクゴナガル先生が「暖炉を持ってる私が悪いんですね」って皮肉たっぷりに言うのも最高です。
みんな大人になって変わったところもいっぱいあるけど、変わらないものがあるって最高だ。
変わらないものといえば、ロンですね。
ハリーとハーマイオニーのミスが契機になって大事件になった時、魔法省での質疑応答でハリーとハーマイオニーが責められます。その時にロンがそっと2人の傍に並ぶんですよ。
「この件については僕は何も知らないけど、この連中が並び立つなら僕もここに立つよ」って。
ハーマイオニーほど賢くないし、ハリーほど強くないけど、ロンは誰かの味方になれる勇敢さがあるよ。そういうところ、本当に好き。
あと、19年経ってもびっくりしたロンの台詞を「おっどろきー!」って訳してくれる松岡先生に拍手。
それから、味方になってるドラコに「ハリーとは仲良しこよしになったかもしれないし、比較的いい息子を持ったかもしれないけど、僕の妻に不当なことを言ったのは……(多分昔の「穢れた血」の件)」って突っかかりかけて、ハーマイオニーに「あなたの妻は、あなたに代わりに戦って頂く必要は感じてないわ」って止められちゃうの、最高にロンらしくて好き。
あと、やっぱりドラコは最高だよ……!
作戦遂行中、ハーマイオニーに向かって、「ハーマイオニーグレンジャー。私は今、ハーマイオニー・グレンジャー指揮官に、うるさくあれこれ指示を出されている」(ここでハーマイオニーが振り返る)「だが、私はそれを少しばかり楽しんでいるんだ」って言うんだよ。
何なんだおまえは!!
19年越しのツンデレなの?!
ギャップ萌えで私を殺す気?!
公式がファンにアバダ・ケタブラしてきてる……読んでる間いつどこから狙われるかわかったもんじゃなかった。やばすぎ。
それから、ト書きなので、最低限の表現指定しか書かれていなくて、想像の幅が広がります。
これは怒ったように言ってるのかな、静かに諭してるのかな、詰め寄ってる感じかもしれないな、なんて。
役者さんの解釈によって、いろんな演技が楽しめそう。
是非、英国の劇以外でも見てみたい!
(ただ、「全部又は一部の上演を禁止する」ってわざわざ明文化されてるので、学校の文化祭なんかでもこの脚本を使っちゃいけないってことなんでしょう。すごく残念)
あと何よりも、アルバスとスコーピウスの友情最高だよ!!!
歴史オタクのスコーピウスと、魔法薬学好きなアルバスの、文系コンビ超可愛いぞ!!!
ハリポタ好きな人は是非読んで欲しい、素晴らしい続編だったよ!!