※ネタバレはしてないつもりだけど、自衛してね。
あの春の日、ワンピースの映画を観に行った子供の私は、同時上映だった名も知らないアニメを見て号泣した。
それがデジモンアドベンチャーとの出会い。
あれから約15年?
続編に当たる「デジモンアドベンチャーtri.」が上映されると聞いて、狂喜乱舞!
続報で、全国で10映画館でしか上映しないと知って、「どうせ田舎じゃ上映しねぇわ……。潔くBD予約しますし」って不貞腐れてたんですけど、
itunesで有料配信ですよ!!
これは観るしかない!
先日ジャ○オタでライトオタクな部下とデジモンの映画の話をしてて、私が上映から一か月我慢すれば、BD・DVD発売だし、同時にレンタル開始ではある、って話をしたんですよ。
そしたら部下が
「一か月我慢すれば超格安で済むじゃないですか~! 私は待ちます」
これだから普段ジャ○ーズのようなでかいコンテンツに熱狂している奴は!!
(別にジャ○ーズをけなしているわけではない)
私たちが高い金を払って映画館に通い、有料配信を観覧し、BD・DVDを買うか本当にわかってないのか?!
公式に貢ぐためだ!!
アニメ・漫画のような、存在感はあるのに未だ弱小扱いされるコンテンツは、ファンが貢いだ分で続編作ったりできるんだぞ?!
今回の上映分に貢いだら、続編は全国で20館上映してもらえるかもしれないだろ!
ツアーやったら絶対にライブDVDを出してくれるようなでかいコンテンツとは訳が違うんだよ!!
その憤りにプラスして、一か月後何の事前情報も持たないまままっさらな気持ちで視聴するためには、一か月ネット断ちをしなきゃいけないから無理だな、と思って、潔く課金しました。
なるべくネタバレしないように書きますけど、ミミちゃんのような純真な気持ちで視聴したい未視聴な方は自衛してください。
結論から言うと、私はめっちゃ楽しかった!!!!
ただ、良くも悪くも、「あの頃の私が楽しんでいた輝かしい感動」と「現在」が地続きになってしまうので、覚悟して観た方がいいです。
まずそもそもデジモンとは?
作品が出てきた当初は、超大手モンスターアニメ・ポケモンのパクリだと言われていましたが、コンセプトが結構違う。
簡単に要素を書き出してみると、こんな感じ。
- デジタルワールドという異世界トリップもの
- 子供(登場人物)1人に対して、パートナーデジモンが1匹というコンビ制
- その場その場で必要に応じて進化したり退化したりする
- 子供たち同士の絆や、家族との人間ドラマ、精神的成長がメイン
本編は小学生だった彼らが、高校生になった物語が、今回の映画です。
映画は全6章構成で、とりあえず今回は第1章とのこと。
1.ストーリー
作中で主人公の太一が「昔とは違うんだ」と言っています。
上映前から、子供たちの声優さんはフルメンバー一新して、作画もだいぶ違うということで、割と賛否両論ありました。
しかし、この「昔とは違う」というのはかなりキーワード。
お馴染みの子供たちの半数以上は、内面的にガラッと変わっていました。
昔の君なら絶対そんなことでは悩まなかっただろ?! というところで悩んでいたり。
昔のあなたなら、そんな風に動かなかっただろうな……という行動をしたり。
勿論、かなり面影は残っています。
太一はサッカー、ヤマトはバンドを続けてるし、空は仲裁役だし、光子郎はPCマニアだし、ミミはマセてるし、タケルは仲間意識が強いし、ヒカリは不思議ちゃんだし、丈は勉強してます。
でも、ちょっとずつ変わったところ、変わりつつあるところが、丁寧に描かれていました。
特に太一の変化は筆舌に尽くしがたい。
昔の太一なら、「なんでぇ~! オレたちだってすげぇ頑張ったのにさぁ!(cv.藤田さん)」とかぼやきそうなところで、唇を引き結んで我慢している姿を見て、ああみんな大人になっていく途中なんだなぁ、と切なくなりました。
いつまでも子供のままじゃいられない。
そしてそれは多分、「勇気」の名を冠する太一だからこそ訪れた変化なんだろうなと。
純真無垢な、恐れ知らずの蛮勇にも似た心を司っていた太一だから、こんな苦痛を伴う成長をしているんでしょう。
本編の時間軸設定的に、ガチ世代の私たちとしては、「未来で待ってる!」気分です。
これを乗り越えたらきっと、いい男に磨きがかかってるよ。がんばれ太一。先に大人になった私たちは、見守るしかできないけど。
本編の、未来の太一が自転車の練習してる昔の自分を見守る話が、とても現実味を帯びてくる心持ちです。
逆に全然ブレない子もいて、太一はその子が眩しかったりもするわけです。
どんな風に悩み苦しみ、どう着地するのか、6章かけて見守りたい所存。
そして、現代を襲い始めた異変に関する謎はほとんどが明かされていないままです。
特に丈が隠してる(というより、切り出せない)話は、私的に立てている予想だと、大波乱を呼びそうですね。
これらもどうなっていくのか、楽しみです。
2.演出
昔よりアニメの演出・効果・技術も新しいものが多いので、ハッキリ言って昔より良い魅せ方をしてくれる!
デジタルなものをテーマにしているので、特に電子の異世界やモンスターの演出は、結構面白い。
作画や戦闘シーンに関しては私は詳しいわけでもありませんが、生まれて初めてデジモンの戦闘シーン見応えあるな! と思いました。
小学生女子からすると、怪獣映画のようなデジモンの戦闘シーンにはあまり興味は持てなかったんですが、今回のは純粋に楽しかったぞ!
特に進化シーンは必見!
こういう演出にしようと案を出してくれたのが、監督さんか誰なのかわかりませんが、心の底からお礼を言いたい!
オーケストラ風の音楽も美しくフィット。ラストバトルは熱かった……!
序盤は結構ツッコミ入れながら観てたのに、後半はぐいぐい引き込まれましたからね。
あと、意図的に似せてくれてるんだと思うんですが、声優さんたちは割と前任者の方々と声質が似てて、ほぼ違和感なく聴けました。
ヤマトが「太一!」って叫ぶ声なんか、ほんとあの頃と変わらずで、それもストーリーとリンクしてて感動しました。
3.腐女子観点から
タケヤマ派の皆様、朗報です。
太ヤマ太派の皆様にも、朗報です。
タケルさんの暗黒進化(ネタ)安定でした。すごい爆弾落とされていきました。
これはもう、ここに書くと野暮になるから、見てくれとしか言えない。
太一とヤマトの関係性が好きな人は、ちょっと覚悟しておいた方がいい。
基本的に私はエンタメを摂取する時は、腐女子視点は排して観てから、後で思い返して腐らせるんですけど、
視聴しながら「ヤマト、太一のこと好きすぎだろ!!」って2回くらい叫んだ。
太一とヤマトの関係性を確立させてきた本編でのイベントの数々がしっかり踏襲されたつくりになってるので、あの頃の胸の高鳴りが抑えきれない。
いや、普通に腐女子視点じゃなくても泣くわ……。
ストーリーのところで太一が太一がって散々書いたんですけど、これ、今後の展開いかんによっては、ヤマトの方がつらいことになるかもしれない。
なんかもう色んな意味で楽しみです。
総評:ありがとうデジモン!!!「再会」させてくれて嬉しいよ!!
というわけで、みんな円盤買おうぜ!